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皆さんこんにちは.マリンです.
最近ようやく卒論を書き始めました.といっても実験データがまだそろわないので研究目的や背景などを書き進めております.
年末の中間発表までに何とか実験結果・考察以外は書いておきたい.
さて,今回も大学院入試した投稿です.
ということで,研究実績や家からの距離(あとはネームバリュー)で気づいたら東京大学航空宇宙工学専攻を受験していた私ですが,
改めて,航空宇宙工学という観点から東京大学と他大学の大学院を比較してみようと思います.
航空宇宙工学が学べる大学
航空宇宙工学の分野は近年特に注目を集めており,スペースXが月旅行計画を発表し,その最初の旅行客がZOZOTOWN社長である前澤友作に決まるなど,2018年だけでも多くの発展がありました.

Image Credit: SpaceX
そんな宇宙という新たなフロンティアを夢見て航空宇宙工学を学びたいと考える方は多いはず.
そこで,日本で航空宇宙工学を専攻できる大学院を調べてみました.(漏れがあったらすみません)
東京大学 航空宇宙工学専攻
我らが誇る東大.元をたどればJAXAも東京大学の研究室の一部だったという背景もあり,やはりこの分野の中心的存在といってもいいのではないでしょうか.
研究拠点は大きく4つに分かれており,東京大学本郷キャンパス以外には柏キャンパス,駒場キャンパス,さらには宇宙航空研究開発機構 JAXA相模原キャンパスでも研究が行えます.
内部生は二年時の進振を経て航空宇宙工学科に進学.やはり航空宇宙工学科は工学系の花形であり,進振で必要とされる成績も工学部トップクラスらしい.
東京大学 電気系工学専攻
こちらの専攻でも航空宇宙分野に携われることははじめて知った.
航空宇宙工学専攻が推進や流体,制御,構造といった分野を担当しているのに対し,電気系工学専攻では電気電子機器やアルゴリズムの領域で航空宇宙工学に携われるようです.
東京工業大学 工学院機械系
東京工業大学には機械制御システム専攻・機械宇宙システム専攻というものがあるのですが,どうやら組織が新体制になり2016年以降は新規学生募集を行っていない模様.
ここに入るには学科から内部進学するしかなさそう.
そこで私が受験したのがこの工学院機械系.
ここにも少数ですが航空宇宙工学を学べる研究室があります.
その一つが,松永三郎先生の研究室.宇宙における大型構造物から小型人工衛星の開発・運用まで幅広く研究を行っています.
この専攻なら大学院からの外部入学者も募集しているので,東京大学受験するけど合格するか不安というかたの併願先の一つにおすすめします.
ただし,院試の点数順に研究室配属が行われるので,場合によっては航空宇宙分野以外の研究室への配属もあり得ますのでご注意を.
京都大学 航空宇宙工学専攻
西の頭脳集団,京大.こちらにも航空宇宙工学専攻があり,例年外部生に対しても広く門戸を開いています.
ホームページを見ると平成30年度の大学院入試では合格者のうち約19%が外部生だったそうです.
大学院入学試験は機械理工学専攻・マイクロエンジニアリング専攻といった専攻と合同で行われます.
筑波大学 構造エネルギー工学専攻
この専攻では航空機・ロケットエンジン・宇宙構造物等の航空宇宙機器に関する研究も行っている.
中には宇宙推進工学研究室などがあり,スラスタやレーザー推進にを取り扱っている.
名古屋大学 航空宇宙工学専攻
こちらも航空宇宙工学の分野で有名ですよね.
名古屋大学航空中工学専攻には「フロンティア宇宙開拓リーダー養成プログラム」が用意されており,例によってはNASAへ長期インターンに行けたりするそうです.
九州大学 航空宇宙工学専攻
日本人宇宙飛行士,若田光一さんの出た大学として有名ですよね.
九州大学でも航空宇宙工学を学べます.
東北大学 航空宇宙工学専攻
東北大学の中でも1位2位を争う人気の選考.やはり内部生でも一握りしか進めず,そこには熾烈な成績争いがある.
その他の航空宇宙工学を学べる大学
ホームページを見ればわかると思うが,一通りの実験設備が揃う.正直なところ,首都大の航空宇宙分野がこれほど充実しているとは知らなかった.
東大同様,構造,システム,推進,流体オールマイティに研究を行っている様子.調べた感じだと9つの研究室があり,超小型衛星の開発運用も.
私の所属する学科.
名に航空宇宙と付いていないように,決してすべての研究室が航空宇宙工学にまつわる研究をしているわけではない.
その中でも,佐藤研究室が極超音速機のエンジン回り,手塚研究室が流体回りの研究を行っている.
宇宙でも衛星の制御などに携わりたかったらおすすめしない.
ということで,東京大学以外にも航空宇宙工学を学べる大学・大学院はあるようです.意外だったのは首都大と東大の電気系工学専攻.
就職先としてはどの大学も重工やメーカーがメイン.必ずしも航空宇宙産業の道に進むわけではない様子.
その中で東京大学航空宇宙工学専攻は他の大学と比べ博士課程への進学が多く,この資料だと5人に1人くらいの割合.(少し古いデータだが)
また,やはりJAXAへの就職がちらほら.
結論だが,学ぶ内容に差はあれど,行きつく就職先はどこも似通っているという印象.
でも,せっかく学ぶなら最高の環境で学びたいよね?
大学院入試の倍率
ここでは上で紹介した有名大学の航空宇宙工学専攻における倍率を可能な範囲で調べてみました.
東京大学 航空宇宙工学専攻
募集人数37 志願者数124(内部67 外部57) 合格者58(内部51 外部7)
全体倍率 2.1倍
外部生倍率 8.1倍
合格者全体に対する内部生の割合 12%
東京工業大学 工学院機械系
志願者数353 合格者数207
全体倍率 1.7倍
京都大学 航空宇宙工学専攻
推定倍率 1.3倍
合格者全体に対す外部生の割合 19%
筑波大学 構造エネルギー工学専攻
募集人数66 志願者数142 合格者数92
全体倍率 1.5倍
名古屋大学 航空宇宙工学専攻
募集人数37 志願者数74 合格者数45
全体倍率 1.6倍
九州大学 航空宇宙工学専攻
募集人数30
東北大学 航空宇宙行工学専攻
詳細不明
という感じで…
まあ,大学によっては各専攻ごとの合格者数も出てこなくてだいぶガバガバな調査になってしまいました.
企画倒れ感が否めない.
まとめ
全体通してみてみると倍率はおおよそ2倍弱ってところでした.
内部と外部の合格者の割合はいくら調べても東大以外出てこなかったっす(´;ω;`)
にしても,去年の東大の外部生倍率…去年合格した外部生すげぇ
ということで分かったこととしては,数ある大学の中でもやはり東大の倍率は高く,かつ外部合格者の人数は少ない.
一方で,明確な人数は把握できませんでいたが,他の旧帝各大学のホームページを見ると他大学からも広く門を開いている適なことが散見されました.
私と同様,院試についてのブログを書かれている方の記事に,東京大学の航空宇宙工学専攻は学歴ロンダリングにはコスパが悪いと書かれております.
私はんなこと知るか!!上等じゃ!!!とある意味思考放棄して院試に臨みましたが,
これらのデータを見ると確かにそうなのかもしれませんね.
航空宇宙工学専攻に進むことが目的なら他の旧帝大だって素晴らしい研究を行えると思います.
ですが,これだけは伝えたい.
頑張れば東大だろうが受かると.
試験日がダブらなければ併願だってできます.これ重要.
東大には中須賀教授をはじめとする世界レベルで活躍する研究者が多くいます.また,JAXAとも他の大学以上に密に連携しており,様々な国家プロジェクトを間近で体験する機会も多いと思います.
まだ,入学は数か月先ですが私もそのような点に惹かれ,たとえコスパが悪かろうとも東大の受験を決めました.
以上のデータを参考に,改めて東大を第一志望に据えてみてはいかがでしょうか.
今度は,受験科目から東大と他大学の院試を比較してみたいと思います.
それでは今回はこの辺で.
初めまして。マリンさんと同じ学科3年の者です。自分も他大の宇宙系の院に行くという選択肢も考えています。よろしければ連絡を取らせていただいてお話を伺いたいです。卒論でお忙しい時期とは思いますが、ご検討いただければ幸いです。
はじめまして.コメントありがとうございます.もちろん喜んで相談に乗ります.
何か質問あれば,the.wall.blade@gmail.com まで直接どうぞ.数日以内に返信できると思います.
こんにちは。
N.Iさんと同様に、マリンさんと同じ大学・同じ学科の3年の者です。
私は東大の情報系の院に進学したいと考えています。
研究室配属を控え、色々とお聞きしたいことがあります。
お忙しい中恐縮ですが、添付のメールアドレスにご連絡をいただけますか。よろしくお願いいたします。
初めまして.コメントありがとうございます.
改めて,メール差し上げますので,少々お待ちください.