皆さんこんにちは,マリンです.
今日は東京大学の研究室見学のため本郷キャンパスに来ていて,見学の合間にこの記事を書いています.(記事を投稿するのは夜だとおもいますが)
さて,東大の研究室見学の感想はまた今度にするとして,今回は大学の参考書として何かとよく目にする機械学会の参考書についてレビューしたいと思います.
よく目にする参考書
機械学会の参考書といっても科目ごとに参考書と問題集のように分かれていたりするので,全部合われるとかなりの数存在.
大学の図書館などでホントよく目にします.
その中でも私が院試勉強で使ったのは
- 流体力学
- 熱力学
- 制御工学
- 伝熱工学
の四冊です.
制御工学と伝熱工学は大学の授業で必要になったので購入.
いろいろなブログをみていると院試の定番の参考書のように扱われていたのでついでに流体力学と熱力学も買ったのですが,
わかったこととして同じ機械学会の参考書でも科目によって当たりがある.
つまり,おすすめできるものからあまり薦められないものまで様々ということです.
では,それぞれのレビューをしていきます.
流体力学
正直あまりお勧めしない.
そもそも,いくらA4サイズのテキストとは言え一冊に基礎から応用まで流体のすべてを詰め込むのは無理があるように思う.
実際,東大航空宇宙を受験するならかなりやり込まなければならない圧縮性流体の解説がほとんどない.
かといって,粘性流体やポテンシャル流れの解説がわかりやすいわけでもないので,特別理由がなければ別の参考書で学習すべきだと思う.
熱力学
流体と違ってこちらはかなりおすすめ.
熱力学で学ぶべき内容をほぼカバーしている.
工学系の院試を受験する予定の方はまずこの本の読破から始めてもよいのではないだろうか.読破といっても図や画像も多く含んでいるのでサクサク読み進められると思う.
しかし,東大航空宇宙に限ってい言えば熱力学はほぼブレイトンサイクル関連の出題ばかりなので,ガスタービンジェットの解説が詳しい参考書を見つけられればこの参考書は不要かもしれない.
とはいえ,熱力学の基本法則やサイクル論が抜け落ちている人には確実におすすめできる参考書だと思うので書店などで見かけたら手に取ってみてほしい.
制御工学
古典制御から現代制御まで広く浅くという感じ.
図なども多く読み進めるのに苦労はしないが,もっと良い制御工学の参考書はいろいろある.
特に東大航空宇宙で過去に出題された非線形の制御理論についての解説は,機械学会の参考書には一切なかったように思う.ナイキスト線図や極配置の本質的な意味も載ってなかったので,各種安定判別法はある意味ただの魔法のようにしか見えなかった.(その点はよい参考書を発掘したおかげで理解したが)
結論,おすすめはあまりしない.
伝熱工学
伝熱工学は授業のために買った.そしてこの参考書のおかげで見事A+をもらえた.
院試だろうが授業だろうが伝熱工学を勉強したい方にはかなりおすすめ.
ただ,東大の航空宇宙は5,6年前にロケットエンジンのノズル周りの伝熱に関する問題が1問出題されただけで,その後はすっかり見なくなったのであまり本腰いれて勉強する必要はないのかもしれない(これからの出題傾向がどうなるかはわからないが).
一方でおなじ東大工学系でも機械工学専攻ではかなりの頻度で出題されているようなので,受験予定の方はこの参考書を使ってみてもよいかもしれない.
総評
いかがでしたでしょうか.
機械学会の参考書シリーズはかなりの科目をカバーしていますし,確かに中には良い参考書もあります.
私も院試の勉強を始めるとき「取り替えず機械学会」の参考書買っておけば間違いはないだろうと思っていました.
が,しかし今振り返れば機械学会より良い参考書は多くあるというのも事実です.
院試勉強に的を絞って私が自信をもっておすすめできるのは伝熱工学くらいですね.
結局,色々調べぬいた挙句自分に合った参考書が見つからなかった時に用いるべき参考書といってもいいのではないでしょうか.
また,本ブログで機械学会より良いと感じた参考書を多数紹介していますのでそちらもご覧ください.
では,今回はこの辺で.
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