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皆さんこんばんは.マリンです.
今日から今年ももう12月になってしまいましたが,一週間ほど前に来年からの研究室が決まったので記事にしていこうと思います.
また,研究室見学会の様子も以下の記事で紹介しています.
果たして結果は?
気になる結果ですが…
…
無事第一志望の研究室に配属されることが決定いたしました!
いやーめでたい.というか東大の航空宇宙工学専攻に合格したことも私の中ではサプライズなのに研究室まで行きたいところに行けるとは.
ということで,来年からは東京大学航空宇宙工学専攻の中の制御・システム系の研究室に所属いたします.
制御・システム系といっても本専攻の中には様々な研究室があるのですが,私の配属先は知能工学をメインに扱っている研究室です.
知能工学というと「航空宇宙なの?」という声が聞こえてきそうですが,もちろんそうです.むしろこれからの時代は宇宙でも盛んに知能工学が活用されていくのではないでしょうか.
一つの例に,衛星などの自己異常診断がありますね.これは衛星内の膨大なパラメータをモニタリングしディープラーニングなどをもとにシステムの異常を検知するというもの.システムが巨大になると正常に動作しているのかどうか判断することさえ人間の手には負えなくなてしまいます.
そんな時に活躍が期待されるのが『電脳』です.
『2001年宇宙の旅』に出てくる人工知能”HAL9000”が良い例ですね.長距離の星間飛行や複雑な航路の開拓にはこういった存在が不可欠だと思います.(重要な権限を人工知能に委ねるので暴走した時が怖いですが)
まさにここから十数年で宇宙工学の中でも情報の分野は目覚ましい発展を遂げるでしょう.
東大航空宇宙ってどんな研究室があるの?
東大で航空宇宙の勉強をしたいと思っても,果たしてどんな研究室があるのか知らない人のために各部門ごとに概要を説明したいと思います.東京大学の航空中工学専攻は大きく4つの研究エリアに分かれていて,それぞれ所属も若干異なります.
そのため各研究室の所属と研究室の拠点を併記しました.
来年度以降の院試の際の参考にしてください.
ただし,
- 航空宇宙は”東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻”
- 新領域は”東京大学大学院 新領域創成科学研究科 基盤科学研究系 先端エネルギー工学専攻”
- 先端研は”東京大学大学院 工学系研究科 先端学際工学専攻”
- 宇宙研は”宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所”
を表します.
空気力学部門
所属研究室
航空宇宙工学の中でも流体力学をメインに扱う.流体力学といっても高速流体や剥離流,数値流体力学など研究対象はさまざま.李家研究室では航空機設計法なども扱う.相模原では火星ヘリコプターや火星飛行機などの研究も.
構造・材料部門
所属研究室
- 藤本・上西研究室 (航空宇宙・本郷)
- 青木・横関研究室 (航空宇宙・本郷)
- 峯杉研究室 (宇宙研・相模原)
航空宇宙工学の中でも宇宙機や航空機の構造力学や材料力学をメインに扱う.
飛行力学・制御部門
所属研究室
- 鈴木(真)・土屋研究室 (航空宇宙・本郷)
- 堀・矢入研究室 (航空宇宙・本郷)
- 中須賀・船瀬研究室 (航空宇宙・本郷)
- 岩崎研究室 (先端研・駒場)
- 川口研究室 (宇宙研・相模原)
- 稲谷研究室 (宇宙研・相模原)
航空宇宙工学の中でもシステム・制御をメインに扱う.私の配属先.ここには小型衛星の分野で世界をリードする中須賀研究室や『はやぶさプロジェクト』のプロジェクトマネージャーである川口淳一郎氏率いる川口研究室など魅力的な研究室が集う(決して他の研究部門が魅力に欠けるわけではなく,私の興味の対象がシステムなので必然的に,よりいっそう魅力的に感じてしまうだけである)
川口研究室にはまさに今世界をにぎわせている『はやぶさ2』や『イカロス』のプロジェクトマネージャーが所属している.ちなみに川口研究室の中には学生のうちからはやぶさ2プロジェクトに参加している人もいる.すげぇ.
ちなみに私は堀教授・矢入准教授の知能工学研究室で来年から研究を行う.研究内容は未定.
また,鈴木・土屋研究室では自分たちで設計したオリジナルのドローンの制御なども研究している.どうやら中須賀研究室などと同じくらい例年人気な研究室らしい.
言い忘れていたが,中須賀研究室では私が見学に行った9月に時点で少なくとも2機の衛星を学生たちが並行して組みたてていた(しかも本郷キャンパスの7号館の中で!).
実際に衛星を設計して運用するまでのプロセスすべてに携われる魅力は計り知れない.中須賀研究室おそるべし.
原動機・推進部門
所属研究室
- 渡辺・姫野研究室 (航空宇宙・本郷)
- 津江・中谷研究室 (航空宇宙・本郷)
- 小柴・小泉研究室 (航空宇宙・本郷)
- 寺本研究室 (航空宇宙・本郷)
- 嶋田研究室 (航空宇宙・本郷)
航空宇宙の中でも推進工学をメインに扱う.大きなものではロケットエンジンやジェットエンジンなどの研究があり,分野は流体力学と似通うが機械流体や熱流体などを扱う.
また,衛星などに搭載するスラスタの研究を行っている研究室も.中須賀研究室と共同で小型衛星を開発していたりする.
研究室はどうやって決まるの?
正直皆さんが一番気になっているところだと思います.
東大の中でも航空宇宙工学専攻は他の専攻と違い,受験願書提出の時点では研究室の志望を出しません.変わってますよね.
代わりに合格発表後の9月中旬に合格者を対象とした研究室説明会があります.
実際は合格者といってもほぼ外部合格者向けでしょう.
研究室の見学会は各研究エリアで日時をずらしてくれているので回ろうと思えば全研究室回れます.(私は全研究拠点合わせて4つほどの研究室しか見学しませんでしたが)
また,今年は本郷キャンパス以外の研究拠点(柏・駒場・相模原)では公式に研究室見学会というものが用意されていましたが,本郷キャンパスの研究室にはそういったものが用意されていなく,見たい研究室があれば教授にアポをとって各自で見学してくれとのことでした.意外と不親切.
本郷に気になる研究室が合格後,メール等でコンタクトしてみましょう.
さて,研究室の決め方ですが,合格後に第8希望の研究室まで提出します.
そして,希望者が研究室の定員を上まわった場合,院試の点数の上位の人から希望の研究室に配属させていきます.
完全なる実力社会です.
恐ろしいことに志望調査書にはこんなことが書いてあります.
『場合によっては希望しない研究室へ配属される場合もあります.』
こっわ(笑)
そして,噂によれば第一志望の研究室に入れなかった場合第2志望はおろか,第5志望あたりの研究室になることもあるのだとか.
おそらくまず第一志望のみを見て成績上位者から研究室を決めていって,一週目であぶれた人に対してまた成績上位者から研究室を決める…といった流れなんでしょうね.(あくまでうわさから推察した決め方でしすが)
とにかく研究室は研究内容,場所,人気などいろいろなことを加味して慎重に決めたほうがよさそうです.
私は運よく第一志望の研究室に入ることができましたが,一歩間違えてたら現在の研究分野とかけ離れたことについて一から学びなおす必要に迫られたかもしれません.
ぜひ以上の情報を参考に行きたい研究室を目指して頑張ってください!
追記: もう一つ重要なことを書き忘れていました.研究室の志望届は10月上旬に提出し,配属先の発表は11月下旬に本郷キャンパス7号館の掲示板にて行われます.自宅に郵便等での通達は来ないので注意しましょう.
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