皆さんこんにちは.マリンです.
ぎらぎらの暑い日々も影を潜め,9月も中旬に差し掛かりました.
そろそろ大学三年の方は院試を意識し始める頃じゃないでしょうか.
さて,タイトルの四力とは流体力学・機械力学・熱力学・材料力学をまとめた総称です.
工学系の大学院に進学を希望する方は,まず確実に試験科目に含まれるでしょう.むしろ,配点も大きく,院試で最も差がつく科目でしょうからきっちり対策しなければなりません.
とはいっても何から手を付ければいいのかわからないと思う方は多いと思います.
そんな方向けに今回は院試勉強をするならここから!というような問題集をご紹介!
四力問題精選
多くの方がブログなどで紹介しているので,もしかしたら知っているかもしれませんが,
コレです.通称「四力精選」.院試勢の中では定番中の定番と言われています.
しかし,裏を返せばここまで大学院入試に特化した問題集は他にはないということであって,私もいろいろ探し回りましたが,結局最後までコイツのお世話になりました.
そんなわけで二番煎じ感が否めないですが,私なりのレビューをしてみました.
四力精選の良い点
良い点は,
- 多くの出題パターンを網羅
- 問題のほとんどが難関大学の過去問
というところ.
流体力学・機械力学・熱力学・材料力学どれをとっても様々な出題パターンの問題が載っているので,これを一周することで「院試ではこんな問題が出る」というものを知ることができます.
解説は院試の問題を作る側の人間である大学の教授陣が書いており,内容は比較的丁寧です.
まさに,初めに手を付けるべき問題集といえるのではないでしょうか.
もう一つの良い点は,ほとんどの問題が実際に大学院入試で出題された問題だということ.
各問題に○○年度○○大学と書いてあります.
赤本などがない院試において,大変重宝します.
出るのかどうかわからないような問題を解くより,実際に出題された問題を解くほうがモチベーションも上がりますよね.
ぱっと見,旧帝大+東工大でほとんどの問題が構成されており,問題数としては四力それぞれ約20問ずつで計80問ほど.
本気出せば一か月で一周できるという手軽さも魅力の一つではないでしょうか.
(私は4周やった)
四力精選の今一つな点
あまり評価できない点は
- これだけでは難関大学の院試に太刀打ちできない
- 誤植が多い
といったところ.
四力精選はボリュームの関係から広く浅くになっています.
膨大な範囲の問題を一冊にまとめているのでしょうがないですが,いまひとつ問題の量が足りないように感じます.
仕方ないことではありますが.
たとえば流体力学だと圧縮性流体の問題がたった二問しかありません.東大航空宇宙の院試を受けるにおいて圧縮性流体の習熟度を高めることは必要不可欠ですから,四力精選以外にも教材を用意しなければなりません.
とはいっても,一通り解くことで全体の見通しは良くなるので取り組む価値は大アリです.
誤植については,誤植リストなるものがネットに上がっているのでそこまで問題はないと思いますが,それでもちと誤植が多すぎるように思います(笑)
総評
四力精選の特徴をまとめてみました.
これ一冊で院試の専門科目を乗り切るのは無理がありますが,それでも大学三年間の復習を兼ねた専門科目の基礎固めとしては十分だと思います.
質の高い問題が多く,特に四力精選の機械力学は良問が多いのでおすすめです.
定価4200円と結構いいお値段しますが,大学院入試では多くの人がお世話になってきた問題集です.
まだ院試勉強に火がついていない方,四力精選を買うところから始めてみてはいかがでしょうか.
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